[小欄]新型空母"台湾"その性能は?

 今日TCTVの特番によると、王遠平華共総書記の臨席の元、清華の新型空母が遂に進水した。以前より003型空母として国内外から多くの関心を寄せているこの空母の性能や就役の時期を、軍事専門家ステンレス=リー氏が紐解いていく。

①性能編─米空母を匹敵する高度な技術─

 新型空母"台湾"の性能で特筆すべき点はやはり電磁カタパルトの搭載だろう。従来清華の保有していた2隻の空母はスキージャンプ台を用いる空母であるからして、その艦載機のペイロード(搭載可能重量)が大きく制限されていた。しかしこのカタパルトが使えればそのような足枷から解き放たれる。従来より遥かに高機能化した航空編隊の運用が可能になる。
 そしてこの電磁カタパルトは現在世界では米国の「リーヒ級」にしか使われておらず、この技術を行使できることは米国に匹敵する技術力を手に入れることになる。

 他方、動力は通常動力に頼っていることからして航空機の搭載数は大幅に増加するとは思えない。海外の研究機関などは前2隻から数機増加して40機ほどになると推測している。しかし排水量が米国がかつて保有していた通常動力空母に匹敵する8万トン級だとされている。それに従うなら最大で70機程度の運用が可能になる。

②艦載機編─懺シリーズの新型を搭載か─

 次に空母の戦闘能力を左右する艦載機について考察する。現在遼寧艦などで使われているものはJ-15戦闘機であるが、これを上回る性能の新型艦載機が実装される可能性が高い。
 J-15主任設計士の顔正氏は、2020年初頭にもJ-31が実装されるだろうと指摘しており、このJ-31は大きさがだいぶコンパクト化していることから空母運用には向いているだろう。しかし頑丈さには欠けており、カタパルト運用に耐えられないリスクがあるので運用時にはその艦載版が用意される可能性もある。
 それか現在運用が本格化しつつあるJ-20も考えられるがこの機体は大型なために空母艦載型としては向かないだろうと指摘されている。

③就役、戦力化について─2030年代を短縮する可能性─

 就役や戦力化の時期について考察する。まずは就役についてだが、王総書記は今日の演説で2.3年の艤装期間と明言していることから、まず間違いなく2024年、ないしは少し遅れても2025年には就役するだろう。
 戦力化については大凡5年近く見るものであり、それで行くと2030年代初頭に戦力化するのが通例だろう。特に初の電磁カタパルト空母の運用となれば相当に修練を必要とするはずだ。
 しかし、実際には2027年の戦力化の可能性がある程度あると推測する。三つの100年のうち、建軍100年にあたるのは2027年だ。また現在電磁カタパルトの試験基地も存在し、既に基本的な空母運用能力は遼寧・山東で訓練した兵士がいるからして、その記念に間に合わせるように急ぐ可能性は高いだろう。

 以上の論考を以って清華人民解放軍海軍の新型空母"台湾"の進水を祝す。[文責:ステンレス=リー]

清華社通信

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