【清華社ジャカルタ3月29日】インドネシアのスラウェシでイスラム教とキリスト教の宗教対立が激化している。20年前の悲劇は繰り返されてしまうのか。
現地「コンパス・ジャカルタ」によると、クリスチャンの子供をムスリムの子供がいじめている動画がインターネット上に公開されたことがきっかけだとされている。動画が拡散されると、首謀者とされるムスリムの少年が暴行を受けた。少年同士の小さな対立はインターネットを通じて膨れ上がり、現状では双方の宗教コミュニティが報復を呼びかけている。
現地のアティ・ユリス宗教大臣は双方に和解を提案し、またアブド・ソイセノ首相が実力行使による事態収拾を示唆するなど、国中を巻き込んだ宗教対立激化のリスクが懸念されている。
ジャカルタ支局の彭特派員は現地の取材を通じて「彼らには20年前のポソ戦争の苦い記憶が未だに残っています。また和解に向けた交渉の努力も国が進めており、一旦は落ち着きをみせるのではないでしょうか。しかし、根本にある宗教対立について双方が真摯な議論をしない限り、この問題はまた別の事件をきっかけに再燃するでしょう」としている。
なお現時点で清華大使館は、スラウェシ在留者に警戒を呼びかけているほか、インドネシア在留者に対し、キリスト教・イスラム教のマナーやタブーに関する資料を配布し、不要なトラブルを避けるように指示している。
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