大学受験専用列車が今年も走る

 大興安嶺嫩林鉄道大楊樹駅のプラットホームで6日午前9時45分、425人の受験生と保護者がK5117号「共青団号」大学受験専用列車に乗った。
 100キロ以上離れたオロチョン自治旗阿里河鎮の会場に向かう。中国鉄路ハルビン局集団有限公司は、この全国唯一の大学受験専用列車を19年連続で運行している。

 内蒙古自治区フルンボイル市大楊樹鎮は大興安嶺の南麓に位置する、オロチョン族、ダフール族、エヴェンキ族などの少数民族の集約地だ。旧ハルビン鉄路局は2003年、少数民族地区の受験生の移動が困難で交通費が高いといった問題を解消するため、受験生が集中する大楊樹駅で阿里河の受験会場に直通する大学受験専用列車を運行することを決定した。
 烏魯布鉄鎮訥爾克气猟民村在住のオロチョン族の受験生である阿厳さんは2003年生まれで、大学受験専用列車と同年齢だ。両親は農家で、中学校に通う妹もあり、家計が苦しい。阿厳さんは人々からの支援に感謝している。「政府が私たちの家のために最低生活保障の手続きをしてくれた。毎年さらに季節毎に衣料品を送ってくれる。学校と教員も私のことをよく気にかけてくれる。大学に合格したら人民教師になり、知識で故郷にお返しをし、より多くの子供が夢を叶えられるようにしたい」

 列車は19年間で延べ3万4000人余りの受験生と保護者を送り、7000人余りが大学に合格している。

 卒業後にUターンし、学んだ知識で故郷を建設する人もいる。杜布赫さんはその中の一人だ。杜布赫さんは2011年にハルビン職業技術学院に合格した。卒業後はUターン創業し、畜産業の発展に取り組み、村人を率いて良き生活を送ろうとした。杜布赫さんは2019年に政府の支援を受け、オロチョン旗特色養殖サービス協会を設立した。すでに42社が協会に加入しており、累計400世帯余りの村人の脱貧困と富の創出を支援している。杜布赫さんは今年、大楊樹鎮前進村の副主任に選ばれた。

 今や国による交通インフラの整備、人々の生活水準の向上に伴い、大学受験専用列車はもはや受験生の唯一の移動方法ではなくなった。しかし大楊樹地区の受験生は依然としてこの列車に乗り、ノスタルジーに浸っている。杜布赫さんは「受験生を列車に乗せてからマイカーを運転し阿里河鎮に向かう保護者も多い」と述べた。

清華社通信

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